合同会社を設立するには、商号、本店所在地、事業目的、社員、資本金、事業年度などを決めます。項目は一覧にできますが、実際には一つずつ独立していません。自宅を本店にするかで許認可の確認が変わり、事業内容によって必要な資本金も変わります。

このため、チェックリストを上から埋め切ることより、決まっていることと迷っていることを分け、影響の大きい項目から相談することが大切です。

商号を決める

商号は会社の正式名称です。合同会社の場合、商号の中に「合同会社」という文字を使用します。前に付けるか後ろに付けるかも決めます。

候補が決まったら、使用できる文字や記号か、同じ本店所在地に同じ商号がないかを確認します。さらに、既存の商標や著名な名称との関係、検索しやすさ、読み間違えにくさ、ドメインやSNS名も見ます。

登記できる名称であっても、他者の商標権や不正競争防止法との関係で使用に問題が生じる場合があります。

本店所在地を決める

本店所在地は登記簿に記載され、公開される情報です。自宅、賃貸オフィス、シェアオフィス、バーチャルオフィス等を候補にする場合は、それぞれの契約条件を確認してください。

賃貸借契約や利用規約で法人登記が認められるか、郵便物を確実に受け取れるかを確認します。銀行口座開設時の説明や許認可の事務所要件にも関わるため、「登記可能」と表示されているだけで決めないようにします。自宅なら住所が公開されることも判断材料です。

設立後に本店を移転すると登記が必要になるため、短期間で移転する予定がある場合は時期も検討します。

事業目的を決める

事業目的は会社が行う事業を示し、登記簿に記載されます。現在行う事業に加え、近い将来に行う具体的な事業を検討します。

目的を増やしすぎると、会社が何を行うのか分かりにくくなる場合があります。一方、許認可が必要な事業では、目的の表現が要件に関わることがあります。

現在の事業、主な商品やサービス、想定する顧客を普段の言葉で説明できれば整理を始められます。近い将来に始める具体的な事業と取得予定の許認可も合わせると、必要十分な目的へ絞りやすくなります。

社員と代表社員を決める

合同会社でいう社員は従業員ではなく、会社へ出資する構成員です。1人でも設立できます。

社員が複数いる場合は、誰が業務を執行するか、誰を代表社員にするかを決めます。法人が社員となる場合には、職務執行者の選任等が必要です。

社員が複数いる場合は、各社員の出資額だけでなく、業務執行の権限、代表権、利益と損失の分配、加入や退社、持分譲渡の扱いを話し合います。会社を作る時点で関係が良好でも、意見が分かれたときの決め方まで定款へ反映することが、将来の運営を支えます。

資本金と出資方法を決める

資本金は法律上1円から設立できますが、実際には設立費用や当面の運転資金、許認可、融資、取引先からの見え方等も考えて決めます。

仕入れや外注費、オフィスや設備、広告、人件費、会計、許認可など、設立後数か月の支出を洗い出すと判断しやすくなります。資本金は設立のために置く数字ではなく、会社が動き始めるためのお金です。

現物出資を行う場合は、金銭出資だけの場合と必要書類や確認事項が異なります。

事業年度を決める

事業年度の最終月が決算月になります。繁忙期、売上の季節変動、資金繰り、税務申告の時期などを考慮して決めます。

設立直後の事業年度が短くなりすぎないかも確認してください。消費税や各種届出には個別判断が必要なため、税理士へ相談することをおすすめします。

設立希望日を考える

会社の成立日は、通常は法務局が設立登記を受け付けた日です。2026年2月2日からは、一定の要件を満たせば行政機関の休日を指定登記日とする特例も利用できるようになりました。

希望日がある場合は、書類作成、署名・押印、出資の履行、費用の支払い、郵送等に必要な時間を逆算します。申請後の登記完了日は法務局の処理状況に左右されます。

相談前に全部決まっていなくても大丈夫

相談は、チェック欄をすべて埋めた人だけがするものではありません。商号や本店の候補、行いたい事業、設立したい時期のうち、分かるものが一つでもあれば、そこから決める順序を整理できます。むしろ、定款を作成した後に変更するより、迷っている段階で確認したほうがよい項目もあります。

いしもと司法書士事務所では、初回相談で現在の事業、設立の目的、将来の計画を伺い、決める順序を整理します。分からない項目は空欄のままでも構いません。